魔王が重なるその顔は、でも、気弱で可愛い妹のものでもあった。
魔王が重なるその顔は、でも、気弱で可愛い妹のものでもあった。



……ううん





ステージ、頑張ろうね!


私は、勇者の記憶を振り払い、微笑む。
そう、彼女は魔王じゃない。
大切な、双子の妹だ!



うん♪





今までにないステージ、庶民達に見せてやろうぞ!





……


いややっぱり混じってるかも。
ワァァァー! という大歓声に包まれる!



『みんな♪』





『ありがとー♪』


――その中に混じる、大絶叫。



勇者様、愛してるー!





魔王様が、可愛らしくなられたぁぁぁ!!!





(聞こえない聞こえない)





(増えてるけど気にしない)


……この世界、前の世界の転生者だらけなんだろうか?
