17.地下牢にて
17.地下牢にて



…さてと。


ここからどうやって出れるだろうか…。
檻のところにはしっかりと南京錠が掛かっている。
檻の隙間から外を覗いたところ、見張りはいなかった…。



…きゃっ!?


突然、背後から何者かに腕を掴まれた。
恐る恐る後ろを振り向くと…。



ねえねえ、何しているの?


金髪の青い瞳をした少年がいた。
そして、もっと驚いたのが、檻の中はとても広かったことだった。



…あなたは?





僕?僕はねぇ…”アリス”。





君は…”ティア”でしょ?


…”アリス”?ふしぎの国の?
それに…”ティア”って…。



…違うよ、私は”涙”。





えぇ…?確かに君は”ティア”だもん…。


アリスは泣きそうな顔をしながら言った。



…ティアで良いから、泣かないで。





えへへ、やっぱり僕の言った通りだね♪


…アリスは泣き止み、笑顔を見せた。
可愛い…。



…ところで、アリスはなんでここにいるの?





んー?僕はねぇ…。





ティアが逃げないように見張りをしているんだよ。


ー続く
