センパーイ!



…あった!あったぞ!…ついにやったんだ…合格したんだ!エリート学園に!





辛かった苦節十余年…ここまで長かったよ…





男と言うだけで奴隷のように扱われ… 学校に行くだけでも大変だった…





でもそれも今日までだ。今日からは僕も一人の学生として生きていけるんだ!





おー!弟よ、受かってたみたいだな!





おめでとう





狼姉にヴァ姉も、わざわざ来てくれたんだ





こうして無事合格できたのも姉さんたちのおかげだよ。本当にありがとう





ああ、流石にアイツは来れなかったがおめでとうってさ





まぁ理事長だし、そういう約束だったからね





あのヤロー死ぬほどグズりやがって
メチャクチャ大変だったんだからな…





ヤローではないけど





こんな時まで細けーこと言うなよなぁ、まったくよー


センパーイ!



見たッスよ!おめでとうッス!





後輩?!わざわざ来てくれたんだ!ありがとう





アレはなにかしら?





せめて人扱いをだな…





あー、いや、私用もあったんッスけどね





?





ご親戚の?





いえ、自分の





ん?自分って…後輩の?え…受けたの?そもそも、後輩はまだ受験じゃ





飛び級したッス





あらま





…犬風情が





あ、ああ、そういえば頭良かったよね、ものすごく





ちなみに!自分も受かってたので、これからはずっと一緒ッスよ!






聞捨てならない単語が聞こえたわね





おいおい、今日は抑えてやれ。オレたちからの入学祝ってことでさ





ギリッ





ッ





そこまでか…





…うん…まぁ喜ばしいことなんだけど…そうも簡単に…僕が青春を犠牲にして手に入れたものをこうもあっさり…





んなッ!なんで涙目になってるッスか!?そんなにいやなんスか…?





いや、そんなことないよ。うれしいさ。後輩は僕を対等に扱ってくれた唯一の友達だったからね





ならよかったッス!これからもよろしくお願いします、ッス!





社交辞令は済んだようだし、もう帰りましょう





おいおい大人げねーな





ほぁッ!?誰ッスか!?こちらのおねーさん方は!?





ああ、この二人は





この子の主人よ。それ以上私の所有物に近寄らないで






ちょっ何を





何言ってんだお前は





何もおかしくはない、弟は姉のもの
それは自然の摂理であり真理





お前いつもは冷めてる癖して稀にとんでもないこと言うよな





オレたちは両方こいつの姉だ、別に奴隷じゃないから安心しな





的確な説明助かるよ…





そうなんスか…心臓止まるかと思ったッス





いざというときは逃避行しようかと





あの一瞬でそこまで考えたのかよ…こいつも只者じゃねぇな





夢物語ね。私から逃げ切るなんて不可能よ





なんでお前は張り合ってんだよ





そしてなぜ当事者の僕がおいてけ堀くらってるの?





ああ、そうそう、本題忘れてた。これから家





ダメ





まだ何も





絶対にダメ





…





…





?





そういえば、家でお祝いしようかと思うんだけど来てくれる?





!





あ





えッ!いいんスか!!





もちろん「ダメだよ







…





うぉい!?空気が凍りついちまったじゃねえか!お前の声真似はシャレにならん!





はぁ…実はもう準備してあるんだよ、今日はこっちに帰って来い





あれ?そうなの?





当然でしょう。約束は果たしたのだからもう別居の必要はないわ





別居て…まぁそういうことだ。
実家からの方が近いんだし





それにアイツが…





あー…





あのぉ…話についていけなくて、
端的に言っちゃうと寂しいッス。
混ぜて欲しいッス





お、おお…素直だなお前





嫌いじゃないぞ





雌犬には関係ないことよ





ヒドイッス…





お前は少し自重しろ





言い過ぎだよヴァ姉





…





後輩は僕の唯一の友達なんだから





セ、センパイ…!うれしいッス!
一生ついていくッス!センパイ…いえ…





アニキッ!





わふっわふっ!





そんな大げさな、アハハ





良い話風にしようとしてるけど、他に友達居なかったの?





ハグゥア!!





オレでもスルーしたのにお前ってヤツわーッ!?





アニキー!!





良いんだ…姉さん…事実だし、でも一人は居たんだ…僕は、幸せ、だったよ…





アニキッ!
死んじゃいやッス!





後輩……、僕と…ま…まともにしゃべってくれたのは…君だけだった……。き…君といたこの数年……わ…わるく…なかったよ……。留年…しない…ようにね…… 後……輩……





うわああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!





おい笑われてんぞ





すぐに人工呼吸しなきゃ





お前も何言ってんだ!?





気道確保





うぐッ





大丈夫?すぐ楽にしてあげる


ムンズ



へぁ!?へぇふぁん?!あっへ!!ふぉーはんはから!!





では頂きます





本音が出やがった!?





衆人環視の中での羞恥プレイwith近親…
薄い本が熱くなるッス!





お前も止めろよ!!





君たちは何をしているんだい?





うぉおッ!唐突に出て来んじゃねえ!





首輪をつけた犬が
二匹目…





酷い言い草だね。それより君、少しはしゃぎ過ぎじゃないかな?嫌がっているよ





ぅあ





あなたの目は腐っているのね





んぐっ





断言!?おもちゃ取り合う子供かお前ら!





おお…!クールビューティVSイケメン…まさかこんな奇跡の連続を間近で見られるとは…!人生捨てたもんじゃないッス!





そんな年じゃないだろ…と言うかアイツはイケメンじゃないぞ?





んなッ!?あんな二次元からそのまま出てきたようなイケメンがイケメンじゃない…!?さすがはアネゴッス!





誰がアネゴか





まあ確かに美形だが、アイツ男じゃないぞ





男装の麗人…!?そんなの、そんなのって…





最高じゃないッスか!!





言うと思ったよ





そろそろ助けて…





安心して、僕がすぐに助けてあげるから





さぁ引きこもり君、嫌がっているのは分かっただろう。さっさとこちらに渡してくれないかな?





自覚がないの?これだから童貞は…磯臭いから近寄らないでくれる?





ボクは女だ。ヒキニートと違って服もクリーニングに出しているしね





毎度毎度イカ臭い服を預かる店員がかわいそうね。染みついた童貞臭がクリーニングごときで落ちるとでもおもうの?





相変わらず君の減らず口は一級品のようだね





あなたの語彙は貧困ね





フッまぁいいさ。君と言い争いをしに来たわけじゃない





誰もあなたに用はないわ。
早く土に還りなさい





モガ…





心が軋むッス





奇遇だなオレもだ





姉さん、少し言い過ぎじゃないかな?





…あいつが先に引きこもりって…





それでも、さすがにあれは言い過ぎだよ。何故か僕も半泣きになったし





……





いや、いいんだよ。ボクが先に始めたのも事実だ。ごめん





…ごめんなさい





うん良かった





喧嘩するほど仲が良いって言うけど親しき中にも礼儀ありとも言うし、気が置けない仲だからこそ言い過ぎに注意してね





…ん





お母さん…ッス





立派になったなぁ…





…先に謝った僕にはしてくれないのかな?





え、でも年上の女性にそ





その必要はない
右手が恋人なんだから恋人に撫でてもらえばいい





ついでに下半身でも慰めたら?





ヒキニートの君と違ってボクは仕事が恋人だからね





恋人がいるのに他の男に撫でてもらおうなんてとんだビッ○ね。そんなんだから童貞なんじゃない?





童貞なのにビッ○?矛盾していないかな?とうとう現実と虚構の区別がつかなくなってしまったのかい?





与えられた餌にはしたなく食い付く様はビッ○にしか見えないという意味だけど?





まるで成長していない……!





だめっぽいなこりゃ





だめっぽいッスね


