言って、僕はミヤコワスレを胸に押し当てた。



ああ、向こうで


言って、僕はミヤコワスレを胸に押し当てた。
目を閉じて、記憶の中に意識を巡らせた。
そして、気付く。



おい、お前。もしかして!?


僕は、僕にしか見えないその女の子に向かって叫ぶ。



まさか、美樹ちゃん?





・・・


沈黙が僕たちを包む。



さっきの藤峰と黒須への言葉、君の言う通りに話したけど、よく考えればこれは全部美樹ちゃんしか知らないことだ


思えば、出会ったあの時が、全ての始まりだった。



君が元の世界に戻るためにもミヤコワスレが必要。だけど君を見ることが出来るのは僕しかいない。だから、僕から君に花を渡すしかない。だけど君は、今回みたいに花が足りなくなることを予想していたんじゃないか?


あの日、あの時の言葉は、この時の為だったかもしれない。



だから、僕にあんなことを言って、距離を取ったんだよね、美樹ちゃん?


『私はあなたの
ことが大嫌いです」
それは、僕を世界に留まらせないための、この世界に悔いを残さないための、悲しい嘘。



ばれ、ちゃったね…





やっぱり。だったら、僕がこの花を使って帰るわけにはいかない





そういうと思ったから、私は正体を明かさなかったんだけどな





でも、知ってしまったからにはほかの方法を考えるしかないよ





最善の方法は、やっぱりこのまま大樹くんが帰って、私がここに残ることだよ





それじゃ、僕や青葉、なにより美樹ちゃんが報われない





だったら、どうしたら…





もう一本のミヤコワスレを探すしか…そうだ!? もしかするとあれが残っているかもしれない!!





心当たりがあるの?





うん。この希望に、賭けてみよう!


僕たちは、決意を胸に、行動に移す。
* * * * *
こんにちは。ご覧頂きありがとうございます。
窮地の中に、何かの希望を見つけた都大樹くん。彼らはどこに向かうのでしょうか。
もう少しで終わる予定です。
ところで、昨日ついにTwitterにアカウントを作ってしまいました。ストリエが終わった後も、これで安心です。
「ぱりにゃん」で登録しましたので、機会があればよろしくお願いします。
それでは、今回はこの辺りで失礼します
(*- -)(*_ _)ペコリ
