雨の降りしきる集団墓地。
一人の男、クランキー・ブラッドはとある墓の前に立ち尽くしていた。
墓に刻まれた名は"アダム・オリバー"
雨の降りしきる集団墓地。
一人の男、クランキー・ブラッドはとある墓の前に立ち尽くしていた。
墓に刻まれた名は"アダム・オリバー"
ブラッドは雨に濡れながらひたすら墓を眺めている。



お前に会いに来るのも最後かもな……
次に会いに来るときはお前に顔向けできない様な奴になってるだろうからさ……


彼は抱えていた花束を墓の前に置くと空を見上げた。
雨は一層強くなりブラッドの顔、肩、靴をくまなく濡らしていく。



じゃあな……オリバー


彼はもう一度声をかけその場から去った。
置き去りの花束に雨が落ち
花を濡らし、枯らしてゆく……



ひけぇぇ!
ひけぇぇぇ!!





にげろぉぉ!
逃げるんだぁぁぁ!
退却だぁぁ!!


とある時代のとある場所の
戦争真っただ中のこの地において多数の兵士の悲鳴が夜空にこだました。
月まで届こうかというその声を銃声がかき消した



ったく……雑魚ばっかりで話になんねぇぜ……


戦地の真ん中に立ち尽くす彼はまさに修羅の如くといった雰囲気をまとっていた。



俺は死なねぇ……
俺にはやらなきゃならねぇことがあるんだ……


彼は手に持った愛銃をさすりながらにやりを笑みを浮かべた



通達だ!
ブラッドが出たぞ!!





セコセコ鬱陶しいんだよぉ!


静寂をもたらすはずの月夜には、悲鳴と断末魔と狂気の笑いの不協和音が響き渡っていた。
