


さて、仕事はしないと先生に怒られちゃうしな





兄さんみたいに転送魔法使えたらいいのにな……





シャルム、ポイント接触まであと少しだ





……急に念話魔法使ってこないでよ





仕方ないだろ。お前どうやって追うつもりだったんだ?





長年の経験と勘かな♪





お前が言うにはマジ10年は早ぇよ





冗談だよ。先生ほどじゃなくても、僕だって魔力の痕跡を追うくらいできるって





そういや……そうだったな。まぁ、備えあればとはいうし、一応俺もナビゲート――――





そこのボク、そんなに急いでどこに行くのかね?





えっ?えっと、今は人を追ってるんだっ





そうかいそうかい。若いのにえらいねぇ





……あのさおばあちゃん、こう見えても僕は





じゃあ、そんなボクにご褒美あげないとね





だからいらないって――――





……い、いただこうかなっ





そうせぇそうせぇ





こういうところはマジお子様なんだよな





さて、見つけたぞ





…………っ





こちらには気づいてなさそうだな。手っ取り早く奇襲しかけてみようかな





でも、人が多いな……。多分このまま人ごみに紛れて城に行くつもりなんだろうし





うーん、じゃあリスク高いけど動かしてみようかな





こんにちは!お姉さんディスナテxの人だよね?





っ!!?





簡単に言わせてもらうね。僕はシャルム・ソー。ソール・グルナディエの二番弟子だよ





そして、先生は今、貴女のすぐ近くにいます♪





っっ!!!?





よし、足で動いた!





転送魔法が使えないのか、そこまで頭が回らないのか……どのみち好都合だけど





僕も足で追わなくちゃいけないんだよな……





ここまで来れば大丈夫か…………?





まったくもう、どこまで逃げる気なのさっ





うわっ!





今回のことで決めたよ。僕も転送魔法覚えよう……歩くのめんどくさい





ほ、本当にシャルム・ソーなのか……?





そうだよ





じゃあ、ソール様もすぐここに……?





あ、それは嘘





………え?





ま、先生が王都にいるのは本当だけどね





僕は君達が何を考えてるなんて興味ないんだけど、下手なことをすると先生の怒りを買うよ。エタ国を1人で陥落させたの、聞いたことあるでしょ?





それは嫌だな





唐突に素直になったね





正直気乗りしなかったし、ここの将軍ってハンパなく強いんでしょ?あたし痛いのゴメンだもん





目的は将軍の暗殺だったの?





まさか。あたしたちは十国の内情を調査しに来ただけだよ。ディスナティも今騒がしいしさ





十国の密偵らしき人が見つかったから……だよね?





そうだよ。しかも2人そろって自害してさ、上もすごくピリピリしてるの。十国の様子を見て来いなんて命令されて





はあ……エステ予約してたのに





まぁそれはどうでもいいとして





とりあえず、貴女だけでもディスナティに帰ってくれない?異変感じれば、他の人達も勘づくでしょ?





仲間のことすら気づかれていたのか……じゃあ仕方ないか





ちょっと待ってもらえますか?





えっ?





やはり、ここに逃げ込みましたか





ひっ……!!





そこの麗しいご婦人、私とお茶でも飲みませんか?





……え?私が美しい?本当に?





食いついた!?





では、早速参りましょう。私が案内致します





はい王子様!





王子様!?





君も、追い詰めてくれてありがとうね





これは、お兄さんからのご褒美だよ





ちょっと待ってその人は――――





いただきますっ!!





危ないいから、これからは知らない人について行ったりしちゃダメだよ





はいお兄さんっ!!





シャルム、そっちはどうだ?ポイントと接触できたか?





……あれ?応答ないんすけど?もしもーし、シャルムー?


