彩は力なくその場に膝を付く



うっ、、、、
しつこいわね、、、アンタ、、、
だから簡単に死なないって、、言って、、、
あ、、れ、、?


彩は力なくその場に膝を付く



死ぬんですよ、、
その針には、「異端」を殺す「毒」が入ってます、、私には管轄外でしたが、持ってきておいてよかったです





用意のいい事ね。、、参ったわ、、





彩ぁぁぁぁぁ!
彩!!


倒れ込む彩に駆け寄る夜太



さて、最高の段取りとなりました
片腕が使えなくなったのは誤算でしたが、、
さて、後は太郎君を始末するだけです





ダメ、、、それだけは、、私達の子は、、、
私達の子だけは、、うぅ、、、


力なく、彩は太郎に手を伸ばすが手は届かない



さぁ、あなたの最愛の人の最後、しっかり看取ってあげてくださいよ?夜太さん
私はこの先の崖で待ってますから


太郎を担ぎ上げ、男は彩と夜太から遠ざかる



彩!しっかりして!彩!





アンタ、、、なんて顔してんのよ、、、
せっかくの、、イケメンが、、台無しよ、、?





こんな時に冗談なんて君らしいよ彩、、、
だけどもう、しゃべっちゃダメだ、、
頼むから、、、





いいのよ、、たぶんダメなんでしょ、、
私、、ちゃんと夜太から聞きたかった、、
過去の話し、、、私から逃げたんだから自業自得かな、、、せっかく夜太から話してくれる気になったのにね、、





黙ってた僕が悪かったんだ、、、
彩のせいじゃない、、だから、、だから、、





でも、どんな過去があっても夜太は夜太よ、、そんな話しを聞かされても私はブレてない、あなたを、、、夜太を、、愛して、、
ゲボッ!





頼む、、頼むから、、、しゃべるな、、彩、、僕の言う事を聞け!!





立場逆転ね、私本当に女になった気分だわ、、、





彩、、、、





あの子を、、、頼むわよ、、
ちゃんとあの子の、、、、
太郎を、、、もっと、、愛したかっ、、た


彩の目が虚ろになってくる



彩!
ダメだ!彩!
僕は、、君がいなきゃ、、彩がいなきゃ、、、





ねぇ、、、夜太?
そこにいるの?
目が、、見えない、、


彩が手探りで夜太の頬に手を当てる



いる!僕は君の側に、、彩の側にいる!!





そう、、、、
ねぇ、、最後のワガママ、、聞いて、、?





なんでも、、、聞くから、、最後なんて、、





キスして、、、
ダメ、、、?





突拍子もないお願いだけど、、


彩の額を髪をかき分け、軽く口づけをする夜太



これで許してくれるかい?彩、、、





最後まで、、、アンタ、、、イジワル、、ね、、、ねぇ、、、夜太、、、





なんだい?彩、、、





幸せな時間を、、、ありがとう、、、


夜太の頬から、彩の手が離れる



やめてくれよ、、彩、、、
ねぇ彩?
冗談、、だよ、、そうに決まってる





、、、、、


夜太が彩を揺するが返事はない



僕が、、、こんな、血に染まった僕に愛を教えてくれた君が愛しかった心から、、、
こんな僕じゃなければ、、もっと君に触れる事に躊躇はなかった、、ゴメンよ、キスもしてあげられない、僕は旦那失格だよね、、、


彩の動かなくなった手を握る夜太



後は、、、君の最後の望みだった、、
太郎を助けに行くよ
そして、、





過去を清算する


動かなくなってしまった彩に背を向け夜太は走りだした
