安見たちは一日中聞き込みを行った。しかし、何の成果も得られなかった!
安見たちは一日中聞き込みを行った。しかし、何の成果も得られなかった!



くそっ!まるで収穫なしかよ





まずいなあ・・・このまま迷宮入りか?





まあまあ、二人とも。今日は金曜日だし!ちょっと帰りにファミレスでも寄って行こうよ!





そうだな!犯人捜しは来週頑張るとするか!


安見たちは駅前商店街にやってきた!



相変わらずこの辺は人が多いなあ





週末の夕方だからなおさらだね





よそ見してるとぶつかるよ!





いてっ!





ああっ、す、すみません





もう、言ってるそばから・・・ぶつかるなよ





あ、見て!あの人の腕!!





ああっ!あれは監視カメラに映ってた腕輪!!





チッ!





あっ!!コラッ!待て!なぜ逃げる?





さては、校門前に落とし穴を掘ったのお前だなーっ!!


安見にぶつかった男は突然逃げ出した!安見たちは全速で後を追いかけた!



はあはあ・・・、待てえ!!





もうダメ・・・もう限界だ・・・





くそう!こんな路地裏に逃げ込むなんて・・・一体どこへ行った?





そこの角を曲がったんじゃないか?





おかしい?誰もいないぞ?





他に逃げ場はないはずだけど・・・





あれ?お前らどうしたんだ?





あ、湯之谷先輩!!こんなところで何してるんすか?





何って、銭湯から出たところさ。やっぱ銭湯で長湯は最高だよな!ところで・・・お前らこそこんなところで何をしてるんだ?





今朝、校門前に落とし穴を掘った犯人を追いかけてたところです!!





ピンクの腕輪をした怪しい男を見ませんでしたか?





いや・・・見なかったけど・・・こっちには来てないんじゃないか?





おかしいなあ・・・そんなはずは?





それより、お前らちょっと汗臭いぞ!銭湯にでも入ってみたらどうだ?





確かに走ったからちょっと臭いかも・・・





もう今日はこの辺にして銭湯に入らない?





確かに・・・それいいね!





よし!みんなで風呂に入るぞ!





おっ!どうやら空いてそうだぞ!





おかしい・・・何か変だ?なんだろう・・・





おっし!一番風呂ゲット!!





えっ・・・・





あ、あれ・・・?





変態ー!!





や、安見!!貴様ぁ・・・!!





え?あれ?ちょ・・・ちょっと待て!オレは今、確かに男湯を・・・





さぁて・・・どうやって殺そうかしら・・・





へんじがない、ただのしかばねのようだ





他の二人はどこに行ったのかしら?





逃げ足の速い奴らね!!


その頃、小林たちは銭湯裏の空き地で湯之谷先輩と話をしていた!



俺に何の用だ?お前らは銭湯に行かなくていいのか?





ちょっと先輩に質問するだけです。それが終わればすぐに行きます。





質問・・・何についての質問だよ?





さっき、どうして先輩は銭湯に入ったなんて嘘をついたんですか?





嘘??





あの銭湯の営業時間は夕方5時から深夜0時です。今、5時15分なのにどうやったら銭湯で長湯できるんですか?





さっき安見にぶつかって逃げたの先輩じゃないんですか?





もし、ぶつかってないと言うなら、ピンクの腕輪を持ってないか調べさせて下さい!





フフッ、さすが探偵部だな・・・


湯之谷先輩はポケットから隠していたピンクの腕輪を取り出した!



確かに俺はピンクの腕輪を持っている。そしてお前らとぶつかって逃げた。それは認めよう!





ということは先輩が校門前に落とし穴を掘った犯人?





言っとくが・・・証拠がこの腕輪だけじゃ俺を犯人にはできないぞ!





この腕輪は今、駅前のデパートで売ってる流行りモノだ!探せば俺の他にもうちの生徒で持っているヤツはたくさんいる!





俺は単にお前らと関わるのが面倒だったから、その場をやりすごそうと商店街から逃げて、銭湯に入っていたと嘘をついただけだ!





それだけじゃないでしょう?





ああ、そうだな。逃げる時間を稼ぐために銭湯の暖簾を男女引っくり返しといた。お陰でいいモノが見れたんじゃないか?





そ、そのせいで・・・今、安見君は・・・





さあ、俺を疑うなら、もっとはっきりした証拠を見せてもらおうか!!





分かりました・・・いいでしょう!


小林はスマホをポケットから取り出し、画面を湯之谷先輩に見せた。



こ、これは・・・


スマホには大きな足跡が写っていた!!



校門前の陥没現場で見つかった、犯人のものと思われる足跡です





あの穴に落ちたのは僕と安見君だけでした。なのに30センチもある大きな足跡がありました!





先輩の足跡がこれと同じか、確認してみたらすぐに分かるはずです





お、お前ら・・・それで俺をこの空き地に呼び出したのか!





そのとおり!地面が土ならば足跡はすぐに分かりますからね





どう見ても完全に一致してますね・・・





ふん、ガキのお遊びと思っていたが・・・意外とやるもんだな・・・





教えてください!どうして校門前に落とし穴を掘ろうと思ったんですか?





言っておくが、あれは落とし穴なんかじゃないぞ!お前らが落ちたのは不慮の事故だ・・・





事故?





ああ、すべては俺が妹のためを思ってやったことなんだ・・・





何だかよく分からないけど・・・また主人公不在の解決編が始まるぞ・・・!


