出会いは、今年の夏。
学校指定のオープンキャンパスに行った時のことだ。
社会学部のないその大学は、私にとってなんの興味も沸かないところだったけれど、
とりあえず出席だけ、と参加した時。
出会いは、今年の夏。
学校指定のオープンキャンパスに行った時のことだ。
社会学部のないその大学は、私にとってなんの興味も沸かないところだったけれど、
とりあえず出席だけ、と参加した時。



藍、帰りカラオケ行こう。今日本当につまんない。





同感、せっかく来たけどやっぱ社学ないところ見てもなあ。


そんな私たちに、



意外といいところだったりして。


学校のパンフレットを手渡しながらクスリと笑いかけた人。



え、聞かれてた、本当にごめんなさい!





いいよいいよ、んなもんでしょ。





すみません。


そう言って、視線を上げた先、
これが運命というものなのかもしれない。
というのはこの時思いもしてなかったけれど、
ここで話しかけられなかったらこんな思いも感情も生まれなかったのだと思うと、
やはり運命の出会いと言ってもいいだろう。
これが、小林唯さんとの出会いだった。



っていうことがあってさ、マジで申し訳ないことしちゃったの。





なにそれ笑う。





いや、結構笑えなかったからね。


次の日学校で笑い話として、オープンキャンパスでのことを詩織が面白おかしく話す。



でも、結構かっこよかったよね!アリなんだけど。





そうだっけ。罪悪感でそんなこと考えられなかったや。


詩織が腕を組んで、
私的にはかなりキタ。と口を尖らせる。



えーなにそれー、嫉妬すんだけどー。


三浦が続いて詩織の真似をするので、私も腕を組んで笑ってみせる。



ま、もう二度と会うことはないから。どうしようもないんだけどね。


詩織が私の頬をつまんで、
真似すんな可愛い奴めというので、



残念だったね、他で探しましょうや。


私はし返す。
たまらなく好きだ、こういう時間が。
