


本当の私を好きになってほしい





とか君は思ったりするか?





ど、どうしたの?
突然さ。





そりゃ、できるならそうであって欲しいけど。
自分の中身の奥底の自分を好きになって欲しい





それが馬鹿らしいと言っているのだ。
君に限って言えば『らしい』ではなくて馬鹿だけれど。





いきなりの馬鹿!!??





でもなんで馬鹿らしいのさ。





だって、心の奥だけ好きになって欲しいのか?
そこだけが本当の君なのか?
心の表面も容貌も経済力も腕力も年齢も性別もなんでもかんでも、君に関わるもの全てを含めてこそ『本当の君』なんじゃないのか?
例えば君が貧しくて、金持ちの弩腐れハゲ狸が君を罵倒したとして、そんな彼を君が心の奥では憎く思っていたとする。だけれど、君はその憎しみを周りの人間には悟らせないように必死に抑え込んで笑っていたとしたら、私は憎しみを愛せばいいのか?
そんなわけはないだろう。憎しみを必死に抑えてでも笑う君をこそ愛すべきなんじゃないのか?





ほほう。
そう言われてみるとね。
心だけ好きになるっていうことすら、
『全てが好き』とは言えないのかもね。





なんだ、わかっているじゃないか。





え、なにが?





だーかーらー、
私が好きなのは君の心の奥だけじゃなくて、
もっと言えば心だけじゃなくて、





君のそのアホ面も大好きだってこと。





デ、デレにイヂワル混ぜないで!


