どんなことがあろうとも、時の流れが止まることはなく。
次の日も当たり前に学校はあるに決まっている。
いつも通りに制服を着るし電車にも乗るし、登校だってしなくちゃならなくて。
どんなことがあろうとも、時の流れが止まることはなく。
次の日も当たり前に学校はあるに決まっている。
いつも通りに制服を着るし電車にも乗るし、登校だってしなくちゃならなくて。



おはよ、青木さん。





おはよ、ございます…渡くん。


明後日の方向にぎこちなく笑いかける私と、
そんな私をまっすぐに見てクスリと笑う渡くん。
加えて、
そんな私たち二人を見ていい気のしないクラスメイト、渡くんの囲いさん。
視線の鋭さがわかるくらいには、イタくて。
なんで青木さんなんかと。
喋ってるとこなんて見たことなかった。
そういえば一緒に帰ってたらしいよ。
どうやって青木さんは斗真くんをたぶらかしてるの?
渡くんも急なきまぐれよね。



ねえ、渡くん。私と一緒にいると、いいことないらしいよ。


私がね、というのは言わなかったけれど。
今日の渡くんは、あくまで学校仕様。
昨日私にキスをしたリトさんとは別人。
割り切れていない私が情けない。
別に、私が渡くんからどういう扱いをされようと文句を言う筋合いもないし。
そう言う関係になるはずだったリトさんだもの。
逆らえはしない、する気などない。



青木さん、一緒にアヒル屋上で食べよう。購買でパン買っていくから先に行っておいて





私、いつもお昼は佐藤と…





これからは一緒に食べるんだよ?…いいね?


ワントーン低い、いいね?という疑問系であるはずの命令に、私はたいそう怯えている。



応援してる!





へ、


その様子を見た佐藤がキラキラとした目で、私に対してそう言った。



かっこいい彼氏、いいじゃない!!


違う、全然違う。だけれど、



うん…、


私はそれをうまく否定する方法を、見つけられなかった。
