姫羅璃は部屋につくなりため息をついた
その原因は彼女の目の前の机にあった



はぁ……


姫羅璃は部屋につくなりため息をついた
その原因は彼女の目の前の机にあった



課題多すぎるのよぉぉぉぉ!!!


姫羅璃は課題の山に向かって叫んだが、叫んだからと言って課題が片付くわけでもなく、誰かが代わりにやってくれるわけでもない



はぁ……
ゲームやろう


典型的ダメ人間の図である
彼女は携帯ゲーム機を机の中から取り出す
タイトルは「プリンスセレクト」いわゆる乙女ゲームと呼ばれるものだ。



アイツなんかより俺のほうを見ろよ





あぁ……素敵……
こんな人がいればなぁ……
かぐや姫みたいに綺麗になってカッコイイ王子様にー……
キャーーーー





はぁ
月じゃなくて
二次元に帰りたい


姫羅璃のゲームは夜中まで続いた
机の上に積み上がった課題の山はその高さを変えることなくそびえ続けていた
翌朝、姫羅璃は卓哉に泣きついた
当然だが、課題はやらないとまずい
まして、ゲームをしていてやっていないなど論外である。



たくやあぁぁぁぁ





なんだよ朝から
乙女ゲームしすぎて夜中までやっちゃって、そのせいで全く課題に手を付けてないから提出の宿題と予習見せてっていう相談以外なら受け付けるぞ


見透かされたような返しに姫羅璃は涙目になりながらもさらにつづけた。



卓哉のそういうとこ嫌い!
嫌いだけど見せてぇぇ





わかったわかった教室着いたら見せるって





ありがとー!


さすが幼馴染というべきなのだろうか。卓哉が姫羅璃のことをよくわかっているのと同じように姫羅璃も卓哉をよくわかっている。
なんだかんだで助け合う間なのだ
しかし、だからといって時間に余裕があるわけではない。姫羅璃は走って学校へ向かう。
しかし、学校前の曲がり角で事件は起きる
互いの前方不注意といったところだろう
姫羅璃は大きく後ろに倒れた



いったーい……ごめんなさ……





いっててて……





うそ……


そこにいたのはゲームの登場人物そっくりの男性だった。
まるで



すいません
お怪我は?





大丈夫です……





夢じゃないよね……?


突然の出会いに姫羅璃は困惑していた。しかし、ここで行動を起こさないのは、チャンスを逃す
姫羅璃は意を決して口を開いた



あの……!





雄二行く……ぞ……


雄二の連れであろう人物が声をかけ、姫羅璃の言葉を書き消した。
二人は互いの声に反応し、目を合わせた。



すいません、なんでもな……





美しい……





は?





僕の彼女になってください!


運命のいたずらはいつも突然起きるのである
