お互いのレベル差により、ボスとの戦闘にもかかわらず、戦いの流れは一方的なものとなっていた。
にも関わらず、ボスが倒れる気配はない。3人の猛攻を受けてなお平然としている。ほとんどダメージを受けていないようだ。



……おかしいな。





おかしいですね。


お互いのレベル差により、ボスとの戦闘にもかかわらず、戦いの流れは一方的なものとなっていた。
にも関わらず、ボスが倒れる気配はない。3人の猛攻を受けてなお平然としている。ほとんどダメージを受けていないようだ。



まるで効いていないようだな。





ジークさんの攻撃とかすごく効きそうなんですけど、全然元気ですね。





お前ら、ちゃんと武器装備してるか?
武器壊れてたりとかはないか?





見て分かるだろ。





武器破損のシステムなんて、このゲームにはありません。





相手の攻撃は大したことないが、このままでは削りきられるのも時間の問題だろうな。





……さて、どうする。





本体へのダメージはほとんど無効化されてしまうようです。





触手を集中的に狙ってみますか?
触手への攻撃は普通に通るようですし、案外そちらが弱点なのかもしれません。





その可能性もあるか。
よし、触手を狙うぞ。





お、触手が切れたな。
行けそうだぞ。





やったな。
続けていこう。


3人の攻撃が、次々と触手を切り落としていく。
その数は瞬く間に減って行き、とうとう1本を残すのみとなった。



これで終わりです!





……何も起きないな。


攻撃手段を失った植物は棒立ち状態となったが、これで勝利というわけではないらしい。
暫く様子を見ていたが、痺れを切らしたレグルスが本体へ攻撃を試みる。



いい加減倒れろよ!


攻撃は確実に、植物へ入っている。しかし、相変わらずダメージは無いようだ。



……ん?





うわ!?


切り落としたはずの触手が再生し、再び3人へ襲いかかる。
油断して近づいていた3人は、その攻撃をモロに受けてしまった。



おいおい。復活すんのかよ。





いくらレベル的に優位だと言っても、今の一撃はまずいですね。





もう皆ボロボロですし、一度撤退しますか?





……そうするか。
ヒントだけでも聞いてこよう。





……いや、ちょっと待ってくれ。





どうした?
倒す方法でも思いついたのか?





ああ、倒す方法を見つけた。





かもしれない。





試してみたいんだが、いいか?





勿論ですよ。僕達はどうしたらいいですか?





まずは、先程と同じように触手を片付けて欲しい。





触手だな。わかった。


3人の攻撃により、再び植物は触手を失った。



よし。触手は片付いたな。





次は、2人で本体を左右から攻撃してくれ。





本体を?
本体には散々攻撃してきましたが……ともかくやってみましょうか。


レグルスとヤクルトが、植物を挟み込むようにして立つ。



よし。行くぞ!





……ダメです。やっぱりダメージは無いみたいですよ。





いや、これでいい。





最初に触手を全て切り落とした時、レグルスの攻撃で僅かに、植物の口が開くのを見た。
周りの触手を切り落としたことで、支えが緩くなったんだろう。





2人の挟撃によって、その口は十分に開いた。つまり、弱点は――


ジークの炎が植物の口を直撃する。



流石です!
よく気づけましたね!





大したことはない。
レグルスがあの時、本体へ攻撃したおかげだ





何にせよ、これでクエストクリアだな。
街はもう目の前だ、行こう。


ボスが塞いでいる道を抜ければ、後は街まで一直線だ。何も障害は無い……はずだった。
街に入る直前、3人はモンスターと遭遇し、戦闘状態に移行する。



あ、こいつは……。


