遅刻気味の登校をすると、教室は”転校生”で盛り上がっていた。
高校生活で”転校生”が来る・・・全く、ドラマのような展開だ。



・・・転校生?


遅刻気味の登校をすると、教室は”転校生”で盛り上がっていた。
高校生活で”転校生”が来る・・・全く、ドラマのような展開だ。



おい、速報だ!!


教室のドアが勢い良く開く。
相田が”転校生”の情報を持ってきたらしい。
昔からだが、”女”と”悪いこと”の情報は早く、”テスト”だけは感ずけない役に立たない情報屋だ。



姿を確認してきたが、美人と言うよりはかわいい系だな。
でも、結構落ち着いた感じだったな。
声は聞こえなかったが、なんだかなれた感じだし・・・





クール系でかわいい系って・・・また新しいジャンルじゃねーの?





もしかして・・・惚れたのか?”また”





あったりめーだろうがッ!!





オレの恋は未来に生きる!!
三日前のことなんてもう忘れたぜ!!
なんで肋が折れてるかすら忘れたからな!!





あ・・・やっぱり食らったんだ。
ひよりんのリバーブロー





あれを食らって学校に来れてることが一番不思議だけどな・・・





ま、可愛い子が増えるならいいんじゃないか。
花が増えることは悪いことじゃない。とも言うし。





そそっ





よし、お前らー
席につけよー
相田が行ったと思うが――





ばれてんじゃねーか





転校生を紹介するぞ。
入ってもいいぞ


担任の言葉で”転校生”が教室に入る。
相田の言ったとおり、背は低く、黒髪で、美人というよりは「可愛い顔」をしているが、可愛げのある顔ではなく、凛とした顔をしていた。
そして何よりも・・・・・・



十神 百々です。
短い間だと思いますが、よろしくお願いします。





見覚えしかない。





・・・ん?





どうした?十神くん





・・・いえ、なんでもありません・・・・・・





席は・・・





はーい、はいはい。
俺の隣の席、空いてまーす。





・・・ということだ。





・・・・はい


~昼休憩~
いつもは学食で――と言いたいが、そんなわけもなく、今日も屋上で弁当を食べている。
みんなが嫌いだから、と言うわけじゃなく、ここが気持ちが良いからだ。
程よく日が当たって、影ができる場所もあって、何より静かだ。
立ち入り禁止のこの場所に近づくやつはいないからだ。



ふう・・・
何も起こらないことが、一番の幸せなんだなぁ・・・


一ヶ月前の出来事を思い出す。
”カミサマ”に会ってから不幸続きだった。
廃マンションの件から一週間・・・
毎日のようにあったトラブルも一切ない。



平和こそ人生にとっての至高であると断言する!!





ははは・・・平和が至高であるなら人間は進むことをやめたといえるだろうな。
なにせ、進む時ほど辛いことはない。
平和であることとは下っていることだ。





ッ!


後ろからの声に素早く振り返る。
コンビニの袋を持った”転校生”が笑っていた。



”お久しぶり”だな。大吾くん
無事に逃げきれていたようで何よりだ。





やっぱり・・・廃マンションの・・・





あぁ・・・そうだ。





まぁ・・・カクカクシカジカな。
問題はいろいろあるんだが、何から話せばよいのやら・・・





カクカクシカジカって・・・





さっくりいうと・・・異世界だ。





・・・・・・・





・・・もう火中にいたのか!?


