…白雪姫の生け贄?
なんだ…それは…。
…白雪姫の生け贄?
なんだ…それは…。



…ん?


…何かが、俺の足元にぶつかった。
俺は振り返り、足元を見た。
…そこにあったのは、真っ赤な林檎だった。



…まさか。


俺は林檎を拾い上げ、見回した。
…すると、一口だけ食べられた形跡があった。



…シロエは…この林檎を…。





…そんな毒林檎なんて捨てろ。





いっ…!?


…赤貴は思いっきり、林檎を持った俺の手を叩いた。
そのため、俺の手から落ちた林檎は…勢い良く、床へと叩き付けられ…潰れてしまった。
潰れた林檎は…まるで…血のようだった。
…それから後日…黒貴は目を覚ましたが…
俺が井戸に入った後の記憶がなかった…。
そのため、この事件は迷宮入りとなり…幕を下ろした…。
後に、次期当主だった黒貴は…別室へと閉じ込められ、代わりに…赤貴が次期当主となった。
…俺はなぜか…黒貴が許せなかった。
黒貴だけ、記憶がなく…平然と生きていて…シロエだけがあんな形になってしまったことに。



…。


…俺は昔のことを思い出しながら、倒れた彼女を部屋へと運んだ。
…彼女もこのままだと。



…毒林檎を食べた白雪姫は…。


俺は…彼女の
手の甲にキスをした…。



…俺は一体…!?


我に返り、俺は後すざりした。



…ん?


…しばらくすると…彼女は目を開けた。



あ…あっ!!


まさか、本当に生き返るなんて…。
俺は…恥ずかしい気持ちと…嬉しい気持ちが混ざりあった気持ちだった。
その気持ちが行動となり、



…良かった。


俺は…彼女を抱き締めていた。
ー続く
