家に帰ってから、
どれくらいの時間が経過したのだろうか?
私はこの家に何かの違和感を感じつつ、
今日も過ごしていた。
家に帰ってから、
どれくらいの時間が経過したのだろうか?
私はこの家に何かの違和感を感じつつ、
今日も過ごしていた。
~Secret Act~



何かが、オカシイんだよな~
工場に行く前は、こんな気持ちには
ならなかったのに・・・。





あんた!
またぼ~っとして、
ぶつかったら壊すから!





こ、壊さないで!
それだけは、やめて!





なら、ちゃんとする事ね!





よかった。


理由はどうであれ、掃除する性能が向上した私。
そして、会話するようにもなっていた。
私と貴女は意外に合ってるかもしれない。
そう思い始めていたのに・・・。



あとは、アンタやりなさいよ!
私の分は終わったから!





頑張るね!





旧型は掃除が遅くて困っちゃう!
アンタそのうち捨てられるよ。





ひ・ひどい~。





あんたで遊ぶの、ちょっと面白いわ!





ちょっと向こうの部屋まで、
散歩してくる。
私のところにゴミ持って来たら
壊すからね!





任せておいて!
だいじょ~ぶ!





それにしても、決まってこの時間に
散歩行ってるけど何で?





よっぽど汚くない限りは、
掃除に掛かる時間は変わらないわよ!
あんたと違って、
物にぶつかったりしないし。
終る時間が一緒なら、
出掛ける時間も変わる訳ないじゃん!





それも、そ~だね!





ポンコツには、真似できないわよ!





ポ、ポンコツいうな~!





早く終わらせてやる~


私はまた、掃除を再開するのであった。
そして貴女はいつものように散歩に出かけた。



まただ。
この時間になると、頭が痛くなる。
意識も遠のいていく・・・。





少しづつだけど、
貴女に性能が近づいている!
貴女は気が付かないかも知れないけど
貴女のお陰で良くなった!





さぁ、私も散歩しよ~


この何気ない行動が、
私と貴女の運命を分かつことになるとは
この時は知らなかった。



聞いてよ~
聞いて~
私も早く終わったから、
そっち行くね~





来なくていい!





何の音?
大丈夫?


私は慌てて貴女のもとに駆け寄った!
そこで見たものは・・・。



違うこれじゃない!





これでもない!





ちょっと、なんで散らかしてるの?





ココには無いのか?





ねぇ~、聞こえてる?


こんなに近くで呼びかけているのに
私の声は届いていないかのように、
一心不乱に何かを探していた。



あったわ。





何がしたいんだろう?





・・・


私は貴女の背中が一瞬光るのを見逃さなかった!
そしてその光景を見ていて、
ある事を思い出した。
~回想~



この機体は何で、
背中にランプがあるんですか?





掃除中を示すランプなら、
正面に何個も付いてますよね?





あ~あ、それな。
それは、そいつのデータを管理する為に
パソコンにデータを集めているときに
光るんだよ!





へ~。
そんな機能あったんですね。
説明書にも載ってないので、
知りませんでした。





購入者が知ったところ、
使えないデータだから載せてないんだよ。
販売側のメンテナンスを向上させるための
隠し機能だ!





そんな研修、受けたこと無いですよ。





当たり前だ!
この機能は限られた人しか触らせない。
変に弄られたらこまるからな。





それが出来るのは、誰なんですか?





工場長以上の人間だ!





そうなんですね・・・。


2人の会話はココで終わっていたが、
本当は、続きがあった。
工場長「遠隔操作する際に必要なパーツなんて
言えるかよ」
「あれで納得するんだから、幸せな奴だ」
何故人間でもない私がしっているかって?
私はその時ラインに乗せられていて
工場長の横を流れていたからね。



想い出した。
貴女、遠隔操作されてるのね!
って事は・・・。





貴女を助けたいけど、
私には術(すべ)がない。
貴方がこの光景を目の当たりにして
調べてくれるのが一番早いんだけど・・・。





ただいま~


この事を貴方に伝えたくて、
急いで駆け寄った私。
貴方に真実を伝えるために、部屋に誘導した。



なんだ、こいつ?
今日は捕まらないな~


部屋の前まで誘導に成功したのだが
そこには荒っされた形跡もなく、
只々貴女が掃除している姿しかなかった。



♪♪♪♪





これを見せたかったんだね!
そっか~





違う!
そうじゃない!
この子をこのままにしては
イケナイんだって。


私の思いは通じぬまま、一日が終わっていく。
私は貴方しか見ていなかった筈なのに、いつしか
貴方の為に貴女を見張るようになっていた。
私の違和感は何でも完璧にこなしていた貴女に
向けられていたモノだと、今日認知した。
