ギルドの依頼のためアリストさんに連れられて町の入り口へ
馬車を待機させていたらしくテンポよく事が進む



この馬車に乗っていくぞ
御者は俺がやるからお前らは乗り込め


ギルドの依頼のためアリストさんに連れられて町の入り口へ
馬車を待機させていたらしくテンポよく事が進む



大体その遺跡へはどれぐらいで着くんですか?


僕の質問に少し困った風にアリストさんが答える



いや、それがな?
半日ぐらいで着いちまうんだよ
何で今まで発見されなかったのかが不思議な位だ





あの、それってやっぱり大丈夫なんですか?


もっともな質問をセリアさんがぶつける



まぁ先遣隊曰く罠も魔物もなしということだし大丈夫だろう
最悪の場合は俺もいるしな
これでも一応Aランクだ


ニッシッシとアリストさんが歯を出して笑う
本当に大丈夫かなぁ
周りを見ると皆少し不安な様子だ



まぁ時間に余裕はあるが早く終わらせるのに越したことは無い
とりあえず出発するぞ


そう言われ皆乗り込む



では、5名様遺跡探索までご案内だ~!


馬に合図を送り馬車が動き出す
魔物等は街道沿いを走るためほとんどでない
だがいつ何が起こるかもわからないので念のため周囲をたまに見渡す



それにしても、まさかこんなに早く再会するとは思わなかったぞ


御者席から顔を出していた僕に言葉を掛けられる



まだ少し掛かる
隣に座って話そうぜ





ええ、わかりました





もう少しお前が来るのは後になると思っていたぞ





僕もそうですよ
こんなに早くギルドに登録するとは思いませんでした


そんな他愛の無い話をしながら街道を進む
しばらくしてミラさんがこちらに顔を出す



そういえば~アリストさんとクロウさんってどういうご関係なんですか~?





ん?
ああ、そんな深い関係って言うわけじゃない
そこのリーダって子が困っているのを俺はスルーしてクロウが代わりに助けたって言うだけだ





スルーしたってどういうことですか?


膨れっ面になりながらミラさんが食い気味に尋ねる



なんていうかな、あの時俺は新人パーティの指導に入っていたんだよ
だからあのパーティを余計な危険にさらすことは出来なかったんだ
かといって俺が単独で抜けるわけにも行かない


そういえばあの時はパーティを組んでいたっけ・・・



あの時は俺もとりあえず自分の仕事に必死でな
だからリーダちゃんには冷たく当たってしまった
後から考え直してやはり手伝おうと思ったら
すでにクロウと出発した後だった、どちらもチラッと格好は見ていたからとてもじゃないが山賊には勝てないと思って急いで向かったんだ
そしたらさ





そしたら?





まさかまさかだよ
クロウが山賊を全員倒しちまってたんだよ
3人はいてどいつもそこそこの腕、そしてボスにいたっては普通の冒険者じゃ歯がたたねえってやつだったってのに
正直目を疑ったね





え?あの人そんなに強かったんですか!?


あの時はリーダさんの魔法で隙を突いて倒せたけど・・・
たしかにかなり強かったけど僕の実力不足だと思ってた



あいつ、実は昔ギルドの冒険者だったんだよ
ちょっとやらかして追放されてな
山賊に落ちて旅人とかを襲っていたんだ
前回の俺の依頼では関係なかったからスルーしていたが・・・近々討伐依頼が出る予定だったんだぞ?


なんか、すごいことをやらかしていたようだ
正直あの時は必死だったからな・・・



で、そこに俺が出くわしてって訳だ
知り合った経緯はそんな感じだな
その後クロウにはギルドに登録を薦めていたんだが、まさかここまで早いとは思わなかったぞ





ほえ~
やっぱりクロウさんはすごかったんですね~





そうだったんですか・・・
すいません、そちらにも事情があったのにもかかわらずこちらの私情をぶつけてしまって


いつのまにか顔を出したリーダさんがアリストさんに謝る



まぁあのときは俺の態度にも問題があったからな
こっちこそ悪かったよ
その代わり今回はちゃんと付き合うよ





ええ、よろしくお願いしますね


よかった・・・
リーダさんはアリストさんのことを少し警戒している様子があった
まぁあの後ではしょうがないけど
どうやら打ち解けることが出来たようだ



さて、とだ!
クロウ!リーダちゃんとは進んだのか!?


・・・?
進んだってなにが?



ああああああああああ!
アリストさん!そういうお話は無しでお願いします





なになに!?
もしかして甘いお話!?


わ!?
びっくりした・・・
さっきまで静かだと思っていたセリアさんが会話に入る



なんだよ~
結構お似合いだと思うぞ?





え、ほんとに?
・・・じゃなくて!!!


・・・もしかして
ここまで言われてようやく僕は気づく
ああ、この話にはこれ以上参加しない方がよさそうだな・・・
そう察して僕は黙る
リーダさんは相変わらず慌てている



おいおいクロウ!
黙ってちゃ彼女に失礼だぞ~?


ここで話を振らないで!
正直何を話していいのか分からないから!
というか若干僕も恥ずかしくなってきてリーダさんの顔を見れない



えと、その、アハハ





あら~?
クロウさんもやぶさかではないご様子?





ミラ様ミラ様!
これはわたしの大好きな話ですよ!





もうやめてえええええええ!!


ああ、この話早く終わらないかなぁ・・・
ちなみにボルトさん・・・ボルト君のほうがいいかな?
ボルト君はずっと爆睡していたよ
