しかし、腕の中で眠る男が応じることはなかった。



ねえ、返事してよ***...


しかし、腕の中で眠る男が応じることはなかった。
激しい豪雨と雷雨の中、彼女は続ける



許さない...





許さない...





孫子ノ第マデ呪ッテヤル





...***...***...





オイ、神谷ッ!!!





......ッ!!!





オイ、神谷、お前また寝てるのか?


ふと顔を上げると、そこには見慣れた顔があった。
コイツは担任の坂本、居眠りには厳しい方の奴だ。



...ッ、すいません、ついうっかり...


なんて笑って誤魔化す、それがもう定番だった。



ハァ...次は気をつけろよ


こんな感じで坂本も、最近はもう慣れたようだった。
チャイムが鳴り、授業終了の時間を告げた



祐介~疲れたぁ~


まだ一限目しか終わってないというのに、
この女、幼馴染の花屋 梨乃は、愚痴をこぼしに
わざわざやってくるのだった。



あのなぁ梨乃、まだ1限だぜ?





え~、疲れたよぅ、もう無理~!!!





全く、梨乃は体力ないなぁ~





祐介はイイじゃん!寝てるだけだし!





そ、それは...





ほら、図星だ~~!!!





ほらソコ教室でイチャつくなッ!!





なんだ、圭太か





なんだってなんだよ!!!


コイツは福原圭太、中学からの友人だ。



べ、別にイチャついてるわけじゃ...





全く、こんな居眠り王子のどこがいいんだか





そ、そうよ!こんな眠ってるだけの...





こっちだって、悪夢に忙しいんだっつの





悪夢ぅ?





あぁ、前に話してたやつか。





そうそう、鬼が何か言ってる...





その鬼さんって可愛いんでしょ?





ま、まぁ...





そっか、可愛いんだ...





ん、何か言ったか?梨乃





べ、別に何にもッ!!!





相変わらずだなぁ、祐介は...





どう言う意味だよそれッ!!





ま、俺の方でもなんか調べてみるわ。
...面白そうだし





あッ!じゃあ私も調べる!





オッケー、んじゃなんかわかったらよろしく!


この行動があんな悲劇に繋がるなんて、
誰も思ってなかったことだろう...
