杏月は良い奴だ。
俺に昼飯を作ってきてくれる。
って、だから付き合ってるという訳ではないのだが。
胃袋を掴まれた俺は、杏月無しでは生きていけなくなりそう。



二人、付き合ったんだねー。良かったねー





ほっとけよ





おめでとー、杏月ちゃんっ!





ありがとっ! 涼七ちゃんのおかげだよっ





おお! 今日は生姜焼きじゃねーか!!





お口に合うかわからないけれど





うめえ!!





よかった……


杏月は良い奴だ。
俺に昼飯を作ってきてくれる。
って、だから付き合ってるという訳ではないのだが。
胃袋を掴まれた俺は、杏月無しでは生きていけなくなりそう。



いつも、わりーな





どういたしましてっ


付き合うとか初めてだが、彼女ってのも良いものだな。



お前、なんか欲しいものとかあるか? 礼に買ってやるぞ





いーよいーよ!! 私が好きでやってることだから





知るか。俺があげたいってんだから言えよ





また強引な……





じゃあ、ギター弾いてるとこ、見てみたいなー





は? そんなんでいいのか?





うん、それがいいの


杏月は満足そうに顔をほころばせた。



わかった、じゃあアコギ持ってくるから放課後聞かせてやるよ


