朝の教室。
昨日、高校近くで殺人があった。
どうやら朝はそのことでもちきりのようだ。



えーやだ、強盗?!





しかも犯人は近くにいた高校生も殺したらしーよ。





キャーこわーい


朝の教室。
昨日、高校近くで殺人があった。
どうやら朝はそのことでもちきりのようだ。



昨日ここらで殺人があったらしーよ。





ああ、知ってるよ。


俺は一番近くで見ていたんだから。



私たちも気を付けないとねー。





…………………





けどかわいそうだよね。その子。
鉢合わせただけらしいのに。





……なあ、亜里沙。





どうしたの?





……昨日のこと覚えてるか?





昨日?
…なにかあったっけ?





…そうか。


昨日死んだのは亜里沙、君なんだよ。
なんて言えるはずもなかった。



最近私忘れっぽくてさー





その話は前聞い…





記憶は彼女が寝付くと
情報化され共有される。


寝付くと情報化され共有される。
つまり死んだ日のことは何も覚えていない。
だからこの会話はこの『亜里沙』にとっては初めて話す内容。



…そうか





?


もうあの亜里沙はもういないんだ。
そう思うと胸が張り裂けそうだった。
昨日は不意で仕方がなかった、そんな風に考えた自分がいて、それを許せない自分がいて。
どちらにしろ亜里沙は一度死んだ。
一通のメールが届く。



次の死亡予定は10月20日。
byラプラスの悪魔


それは明後日の死亡通知だった。
