昼休み、また荷物運びを頼まれた俺は、段ボールを運んでいる途中、渡り廊下の自販機で杏月を発見した。



ぬー! えいっ! えいっ!





ちょ、ウリエル! 開けてよっ!





もうっ、役立たず!





(……ぼた子がまた独りごと言ってる)


昼休み、また荷物運びを頼まれた俺は、段ボールを運んでいる途中、渡り廊下の自販機で杏月を発見した。



貸してみ





あっ……





……


なにこれ、こいつまた変なジュース飲んでやがる。
俺は片手で缶を持ち、人差し指でプルタブを引く。



ほらよ





あ、ありがと……!





黄昏ピーマンの次はピザジュースかよ……





黄昏ピーマン……?





おま……覚えてないんだっけか……





ごめんなさい……私少し記憶が曖昧なことあって……





ああ、いーよ。悪い奴じゃねーって知ってるし





誠人くん……





お前はいつも真っ直ぐだもんな、そうゆうとこ好きだぜ


ぶりっこしてる女子とかとは違うから絡みやすい。
良い仲間になれそうだ。
俺のパーリーに加えてやろう。



誠人くん……私っ……





ん?


またいつかの固い表情になってるな。
笑ってるほうがいいのにこいつ。



私、誠人くんが好きですっ……!





はあっ……!?


