そう言いながらポケットから小っさなマスコットを取り出す。



今日も凄く楽しかった! 本当にありがとっ!





(出た! その笑顔ヤバいなー)





あ、そうだ、杏月ちゃん、これお土産


そう言いながらポケットから小っさなマスコットを取り出す。



あ……これ


私がひそかに可愛いと言ったキーホルダーだ。
いつの間にか買っていてくれたんだ……。



気に入ったんだろ? あげる!





でも……





わ! なにそれ! 貸して!


その時、希衣子ちゃんがスッと私の手からマスコットを取った。



あ





かわいいじゃん! あたしがもらっていい?





え……


どうしよ、欲しかったな……。
まあでも、希衣子ちゃんも気に入ってるみたいだし……。
秋は誰にでも優しいから、あげても怒らないよね。
今度は秋が、希衣子ちゃんの手からそれを奪う。



これは杏月ちゃんに買ったの! だからダメ!


そう言いながら私にグイっとマスコットを差し出す秋。



もらって!





秋……


気持ちは凄くうれしい。
こんなにしてくれた人は初めて。
秋は本当に素敵な人だ。
だからこそ。
だからこそ、希衣子ちゃんにも言われた通り、はっきりさせないといけない。
