昼休みに寒空でぼっち飯……いやウリエルと一緒飯の後、渡り廊下の自動販売機でジュースを買った私。

　ただいま、缶の蓋と格闘している最中。

　あったかい黄昏ピーマンを買ったはいいけど、プルタブが固くてなかなか開かないの。

　缶を持った手をズイっとウリエルに差し出す私。

　ウリエルはそう言って両手を上げて肩をすくめる。

　しょぼんとなるウリエル。

　基本、ぼっちだったから、天使であろうと幽霊であろうと話相手がいるのは嬉しいの。

　無神経な発言が玉にキズ……。

　その時、急に私の目の前に手が差し伸べられた。

　私の手から黄昏ピーマンが奪われる。

　その先には片手で段ボール箱を持った堀坂誠人。

　彼は片手で缶を持ち、その人差し指だけでプルタブを引く。

　なにこれ、男子ってこんな開け方できんの！？

　深々とお辞儀する私。
　髪の毛がぶわっと宙を舞う。