そして、少年は聖人の後をついて、教会の中へはいって行った。
だが、教会の中に入った瞬間だった。
周囲を騎士に取り囲まれる。
そして、少年は聖人の後をついて、教会の中へはいって行った。
だが、教会の中に入った瞬間だった。
周囲を騎士に取り囲まれる。



えぇ?!
僕何かした?!


一瞬そう思ったがしかし、刃の矛先を見れば、狙いが少年ではないことが分かった。
騎士の狙いは聖人のようだった。



これは、なんのつもりでしょうか?





それはこちらのセリフですよ。
貴方、教会に身を置きながらにして、悪魔契約をしていますね?





何の話でしょうか。





ごまかしても無駄です。
契約印を見た者がいるのですから。





そんなものどこに・・・





左肩に、逆十字のマーク。





・・・・・・!





おや、表情が変わりましたね。


聖人はニヤリと笑むと、一番近くにいる少年を盾にとり、騎士に脅しかける。



騎士ども、動くな。
こんな子供の首の骨など、たやすく折れるぞ。





え!
うわわ?!





な・・・!
なぜ子供が近くに・・・!


騎士がたじろいで、まごついているその間に、こっそりと聖人は少年に耳打ちした。



おそらくこれが最後の聖水だろう。
お前のポケットに入れておく。


そういわれたとたん、正確無慈悲な矢の射撃が射られ、聖人の肩に刺さって、彼は少年を放してうずくまるように地に伏した。



ぐ・・・!


少年は慌てて聖人から距離をとり、騎士たちから保護される。



これで、ようやく話の続きができますね。
貴方は悪魔契約により、万病に効くとされる聖水を作り出す一方で、都に病を流行らせることで、金を集めていますね?





はは・・・そこまでわかっていたのか。


ひとつ、大きくため息をついて、聖人は起き上がる。
その傷口は煙をあげて修復し始めた



そうとも。
昨今の流行り病は、私が原因だ。
だが、聖水はどうだ?
聖水は本当に万病に効くだろう?
病は放っておいても、いずれいつか流行るものだ!それを治す聖水を、作らせないでおいていいものか?





黙りなさい!
単なる水を売りつけられたと、訴える者も多いのですよ?!





それは、私の仕業ではない。
教会に並ばずに行商人から手に入れた者たちの話だろう。


そして、皆に語り掛ける。



試せばわかる!
そして、聖水は私が生きている間しか、効果はない!
時間は稼ぐ!
病のあるものは早くそれを使え!


辺りが一瞬どよめいて、病人を連れてきている者が一人早急にそれを使い、その人が治癒していく様を見て、聖水をすでに受け取った者と、受け取っていない者との間で騒動が起き始めた。



み、皆さん!
お静かに!!


その騒動に乗じて、聖人は颯爽と逃げていった。



ま・・・待つんだ!
くそっ!皆、追え!探せー!


