~ つづく ~



ああ、どうしよ、どうしよ~…
もうすぐライブが始まっちゃうのに~!





そこにいるのは『C-Class』の千歳ちゃん
そわそわして、どうしたんですか?
そろそろ本番が始まっちゃいますけど…





実は、前回のステージで壊れて修理に出したベースが、まだ届いてないんです…





もうすぐ本番なのに…! 不安で不安で、トカレフ乱射しちゃいそうです…!





…わっ、ち、千歳ちゃん、そのエアガンをしまってください! 警備員さんが通りかかったら、捕まっちゃいますよ!





…千歳ちゃん… ベースを取り上げると、エアガンを持ち出しちゃうなんて… おそろしい子です





会場で何か事件が起きてしまう前に… 千歳ちゃんのベース、早く届くといいですね





うう… そうですね…





…はぁ、それにしても、ベースが手元にないだけで、こんなに不安だなんて…





ももちゃんがやりたいって言って始めたアイドルバンド『C-Class』だけど… 今ではベースは大切な私の一部です





昔は部屋でエアガンの手入ればっかりしていたんですけど… …今はベースの手入ればっかりしています





はぁ… 早くステージでベースが弾きたいな、ももちゃんとお姉ちゃんと一緒に… そうじゃないと、私、私… このベレッタで…





ああっ、またエアガンを…!
誰か早く、千歳ちゃんを止めてあげてください~!





こら、ちーちゃん!
またこんなところでエアガン出して! 無闇なテロは禁止って言ったでしょ





はい、これちーちゃんのベースよ
本番までに間に合ってよかったわ~♪





ももちゃん、お姉ちゃん…! それ、私のベース… なんでふたりが…?





ちーちゃんがあんまり不安そうにしてるから、業者の人に電話をかけて、近くの駅まで取りに行ってきたのよ





ライブ会場の前の道路、ひどい渋滞だったみたい。だから届くのが遅くなってたのね。駅まで取りに行って正解だったわ





ふふっ♪
ももちゃんが言い出したのよ。優しいんだから♪





なっ…、何言ってるのよ、まーちゃん!
別に私は… ベースが届かないと私達の世界征服の計画もおじゃんだし…





ううっ、ありがとう…
ももちゃん、お姉ちゃん…!





ベース、本番までに届いてよかったですね。これで私たちも正々堂々戦えます。さあ、行きましょう!





うう、負けちゃった…ぐすん
やっぱり私のベースがダメダメだったから。ふ、ふたりに合わせる顔がないです~





えっ…?
こ、こんな私のベースが好きって言ってくれるんですか…?





う、ううう… 私、恥ずかしくて…
そんな人はもう、ベレッタの刑ですっ!!





…わっ! こらっ、ちーちゃん! こんなところでエアガン乱射しないでよ。差し入れでもらったお菓子に穴が空いちゃったじゃない





ご、ごめんなさい、ももちゃ~ん…





はぁ~、姉妹グループって、なんだかいいですね。家族でアイドルなんて、ちょっと楽しそうです





でも、照れ隠しでエアガン乱射は、ちょっと過激すぎますね…





…あっ、プロデューサーさんも、今日の差し入れのお菓子を食べる時には、念のため、BB弾に気をつけて、食べてくださいね


~ つづく ~
