


さあ! 始めるわよ! 第二回・戯言SF紹介録! 今回は何度人類を救ったかわからない! ウィル・スミス主演映画『アイ・ロボット』 。前回と違って、シンヤでもわかるエンターテイメント映画。……さすがに見てきたでしょ?





……(視線を逸らす)





……観てないのね。いいわ、慈愛の女神とも言われる私が説明してあ・げ・る……どこいくのよ? シンヤ。まだ始まったばかりよ。お手洗いなら反対方向よ





……(溜息)わかったよ





さて! この映画の原作は、ロボット三原則でも有名なアイザック・アシモフの短編からと言われてるわ。
ただねぇ……だいぶ違うのよね、小説と。カルヴィン博士やロボット三原則が存在しながらのロボットによる殺人とかは採用されてるんだけど





ふ~ん……せっかくウィル・スミス主演だから、やっぱりアクションがないとって思ったんじゃないか?





そうねぇ……確かにアクションからカッコいい車もあるし、シャワーシーンのサービスもあるしね





それって誰へのサービス?





あら? 肉体美を愛する紳士・淑女の方々よ。まずはあらすじよ。時代は一家に一体ロボットが付く時代よ……





グラウだと想像できない話だな。昔の映画だけど、未来って僕たちの時代よりもっと未来を想定していたのかな? それとも、地球だとロボットが一家に一体あるのは普通なのかな?





そんな話は聞いたことないけどねぇ。まあ、地球に行った事のない私達が話してもどうしようもないわ。





まあな……。





さて。そんな時代に、ロボット嫌いの刑事・スプーナー。ウィル・スミス演じる主人公よ。彼は恩人であるラニング博士殺人事件の担当となり、彼の創ったロボット・サニーが本当に博士を殺したのか、調べて行くうちに巨大な陰謀に気づく事になるのよ。ジャンルわけするなら、SFアクションミステリね





おお、面白そう!





登場人物は前回の2001年宇宙の旅より、ぐっと増えるから、主要人物だけ紹介するわね。
まずは、ラニング博士殺人事件の担当となったロボット嫌いの刑事・スプーナー。ラニング博士殺人容疑を掛けられてる、ロボット・サニー。ロボット博士のカルヴィン博士。あとは、物語のきっかけとなった殺されたラニング博士。ちなみに、ラニング博士はスプーナーの命の恩人であり、サニーを創った方





登場人物はそれだけ?





息子のロボット嫌いは置いといて、ロボットをフル活用しているスプーナーのお母さんやら、スプーナーを信じないどころか、病んでる疑惑を抱く上司が登場するわ





……スプーナーって、色々孤独だな……





シンヤ……人は孤独なものよ……って、どっかの歌にあったわね。何だったかしら?





知らないよ!





他にもカルヴィン博士とかラニング博士が入ってるロボット会社の社長や人工知能のヴィキがいるわ





あ、犯人わかった! そのロボット会社の社長だ! すごい武器を発明して、世界を牛耳ろうとしていたと
していて、その悪事を暴こうとしたラニング博士が邪魔になって殺した。で、その罪をサニーになすりつけようとしたんだ! きっと!





その二時間サスペンスで、配役見ただけで犯人を当てる的な事やめましょうね。演じる役者さんで犯人役とわかるとか、必死にトリックとか考えた作家さんが可哀そうだわ





……ご、ごめん。でも、ラニング博士を殺した犯人は誰なんだ?





ふふ……ここでは犯人はナ・イ・ショよ





ええっ? 教えてくれないのかよ!





だぁって、ここで犯人を教えたら、まだ『アイ・ロボット』を観ていない方々が、観てくれなくなるじゃない。私は『アイ・ロボット』という映画も好きだから、ぜひ観て欲しいのよ





2001年宇宙の旅のほうが、さくっと結末まで言ってたのはいいのか?





ああ、あれはいいのよ。あれは何度も見直して、やっとわかるかわからないか。考察サイトも覗いて、やっとわかったような気がする映画だから





あ、ああ、そう。それじゃあ、今回はこれで終わり?





そうねぇ、最後にネタバレしない程度に人物紹介だけしておくわ





ああ、それならいいな





まずは、孤高の刑事・スプーナー。ロボットが一家に一体の世界で、極端にロボットを嫌う姿は、ちょっと病んでるように上司が見ても、仕方ないほどロボット嫌い。ロボットがひったくりをしたと勘違いして襲いかかった時は、本当に病んでたと思う。サニーとも生身で戦う、一部の淑女と紳士にはたまらない肉体美





肉体美の話はもういいから





お次は殺人容疑ロボット・サニー。ラニング博士に創られたロボット。白いボディに青い瞳。華奢な造形にしなやかな身のこなし。
……完全にラニング博士の趣味よねぇ。明白な自我があり、取り調べで感情的になった時、机を両手でどんっと殴ったりもしたわ。机は手の形に凹んで、怒らすと恐ろしい子!であることがわかったわ。
あとはカルヴィン博士は、最初はスプーナーを批判したりしたけど、味方になってくれるわ





……以上?





ええ、以上よ。次回は……何にするかは未定! お楽しみに! それでは、またお会いしましょう!





ん? ケーキきた?





おわっ! ミズキ! いつからいたの?





ミィちゃんなら、二時間前から後ろの席にいたわよ。むしろ、気付かないシンヤにびっくりよ。


