信じていたイーソン卿に裏切られた新川シン。
帰る場所をなくした彼は、
高円寺の実家で一晩過ごすことになるが、
寝ている高円寺の懐から扉の鍵を…。
信じていたイーソン卿に裏切られた新川シン。
帰る場所をなくした彼は、
高円寺の実家で一晩過ごすことになるが、
寝ている高円寺の懐から扉の鍵を…。



ごめんよ…、高円寺くん





うーん…





!?





むにゃむにゃ…





ふう…





やっぱり僕はイーソン卿に認めてもらいたい





あの人がいなければ僕は…





…鍵はもらうよ、高円寺くん…。また会えたらいいなあ…





…じゃあね





すぴー…


あさだよーん



ふわああ…





おはよう、シン





…





あれ!?いない!





一体どこへ…??


その頃、スルト教本部…



くそっ…。全て台無しだ…。信者の信頼も扉を開ける術も失った





一体どうすれば…





イーソン卿





…!?





シン…。一体何をしに来た。私の目の前に金輪際現れるなと





…これ





???





一体どういうことだ…





あの鍵はダミーだったんです





なん…だと





これが正真正銘、扉の鍵です





…!?





お、おお!でかしたぞ!シンよ!私はお前を信じていたぞ





…





だが、本当にそれで開くのだな?





おそらく





2度目はないぞ





わかっています。もし開けられたら、イーソン卿、私を認めてくれますか





何を言っている。私ははなからお前のことを認めて…





任せてください。きっと開けてみせます





いきます…





…





やっぱり…。開かない…





僕はダメなやつだ…





!?





おお!扉が!扉が開くぞ!





僕は鍵を開けてないぞ…?


ぎいっ…



ああ!やった!ついに扉が開かれる


たっ



!?





!?





騒がしいな





なんだ…。この名状しがたい禍々しいものは…





どうしても鍵を開けたかったようだな…





…もしや。あなた様は…!





なんだお前…





私はスルト教の教祖、イーソンでございます。
あなた様が、…異形の神!





異形の神…?





…神だ? お前たちのくだらん価値観に、俺様を勝手に当てはめられちゃ不愉快だな





ああ…!申し訳ありません…





なぜニンゲンが、この扉を開けようとする? 大抵のニンゲンはこちらの世界で生きることもできるまい。こちら側に用はないはずだが





我々は、こちら側の世界に絶望しています。ぜひあなた様の強大な力で世界を浄化させていただきたいと…





笑止!ニンゲンごときが、俺様に頼みごとだと…!





無礼なこととは充分承知しております…。…タダでとは申しません





…?





…ほう。私にも何かしらのメリットがあるのかね。答えによっちゃ、考えてやらなくもない





…にやり





生贄を捧げます!





…?





ここにいる、新川シン!彼は人類トップクラスの能力者!彼の身を依代にすれば、こちらの世界でも、存分に暴れられるかと…!





え…





ほほう。能力者か…。戸隠の一族か…?





いえ。その昔、戸隠の血は絶えました。
しかし、超能力を持つ遺伝因子は突然変異的に現れるのです。彼は戸隠の血に劣らない能力を持っています





イーソン卿…





ははは!そうか!悪くない





!?





その契約、乗った!





え、ちょっと…





ぐぐぐっ…





助け…て…!イーソン卿…っ





初めからこうするつもりだったんだよ…





…え?





お前はこうなるさだめだったのさ…!





どうして…。どう…して……





さあ!異形の神よ!世界に闇を!混沌を!






おお…!神よ





久しぶりのこちら側だな…。悪くない





なんと、神々しいお姿…!さっそくこの汚れた世界を破壊し尽くしてください!





そうだな…。まずは準備運動がてら…





ぐはっ…!





鮮血ほど目の保養になるものはない





…ぅう…っ。……な…ぜ





なぜだと?





な ん か む か つ く か ら





…ぁ……。…………





さて…。少し“遊んで”くるかな





新川シン。お前の身体、大切に使わせてもらう


