第八章
手掛かり
第八章
手掛かり
花園の電話指示に従って表参道へと出向いていた草野とあずみ。その道中で草野は宝石店で受け取った袋を手に持っている。
参ったな、こんなトコ職場のヤツラに見られたら疑われるな、君と俺の関係
キモーい。何でこんな寒いのに車じゃないの？
近所だし、ここら辺停めるトコないからさ。何よりパトカーは目立つから嫌いだ
あっそ。言っとくけどその指輪、あーちゃんへのプレゼントだから！だって直ちゃん、前に約束してくれたもん
わからないよ？特にメッセージも無かったみたいだし具体的にそんな事書いてないからね
もう形見になっちゃったから開けるもん！
袋を取り上げて箱をあけようとするあずみ。その手を止める草野。
何するの、エッチ
覗き野郎はお前の方だろ？それにあいにくこっちの上司はまだ健在なんだ。そのままアパートに持ってこいとの命令なんでね
後藤デザイン事務所の前に辿り着いている二人。
もう誰も警察の人いないんだね
実はあのあとすぐ花園警部が全員署に返したんだ。もう事件はもう解決に向かっているから。あとは私と草野ちゃんに任せて下さる！？って
え、どういうこと？
実は俺も君とおんなじ。お遣いを頼まれただけで詳しい事は何も聞かされてないんだ
直也の書斎にやってくる草野とあずみ。
俺、推理とか苦手だからよくわかんないけど、どうやら花園警部が言うには奥さんが犯人らしい
真希子さんが！？どうして…！まさかあーちゃんと直ちゃんの事知って…
そういうことなのかね。俺、人の気持ちってよくわからないから何とも…ただ、答えはこの部屋の中にあるって
夜の青山通りを外れて坂を下った所にひっそりとある喫茶店“風花”。店を覆い隠すくらい大量の手入れされた植物。やってくる花園と真希子。
素敵なお店。こんな長く青山に住んでるのに全然知らなかったわ
ガーデニング世界一の方がオーナーのお店でね。私の隠れ家。見た目通りジャングルな感じでね（笑）今はバータイムかしら
また飲んじゃいますか？
当然、お酒は百薬の長よ、うふふふふ～
next to go...
