裏切り者の姫がまたも魔王を裏切り、勇者たち一行側に付き、魔王も切り札を出したとき女勇者が現れた。
裏切り者の姫がまたも魔王を裏切り、勇者たち一行側に付き、魔王も切り札を出したとき女勇者が現れた。



なんで何度も蒸し返すんですか!


私はなにも知らない。



魔王!そこまでです!


遅れてやってきた女勇者は魔王に向かい堂々と言い放つ。



やっぱり来たね女勇者。待ってたよ。





騎士、剣闘士、大丈夫か。


剣闘士と騎士の元に女勇者の騎士もやって来身を案じた。



先生。来てくれたんだな。





……傷は浅い。すぐに動ける。


女勇者の魔法使いはいつものように魔法使いの下へ犬のように駆けて行った。



姐さーん!





うるさいのが来た…。





ちょっと、せっかく助けに来たのにそれはないんじゃないっすか。





はいはい、ありがと。





騒がしい連中だね。





だが実力はある。不思議な奴らよ。





それにしても女勇者、ずいぶん遅かったな。





ヒーローは遅れて登場するものです。


当然と言う顔つきで女勇者は語り始める。



あなた方のピンチを颯爽と助け、魔王を倒す私。





やはり勇者はこうでないと!





……そうか。





はははは、女勇者もやっぱり面白い子だね。





さて、役者も揃ったことだし。最後の戦いを始めようとしようか。


その言葉に女勇者が魔王に向かい剣を構える。



魔王!私が相手です!





そうはいかん!女勇者、先日の決着をつけさせてもらおう!


女勇者の前に隊長が立ちはだかり、魔王への行く手を阻んだ。



隊長くんよろしくね。


そう言い残すと魔王は奥へ走り出した。



待て!





勇者様!置いていかないでください!


素早く逃げた魔王に反応した勇者と人より反応の鈍いお姫様は魔王を追いかけて行った。



嫌味みたく言わないでください!


私はなにも知らない。



……勇者!





お前はここで残ってもらおう!





……ぐっ。





勇者!すぐに追いつきます!抜け駆けは許しませんよ!





主様!騎士!





騎士さん。貴方の相手はこちらです。魔王が用意したとっておきですよ。





ガアアアアアアアアア!





ふん、まさかこのでかぶつが私のためとはな。すぐに方を付けてやろう。





先生!助太刀するぜ!休んでばっかいられるか!





さあ、あんたは私が相手だ。





もういい加減諦めてくれないー?





その舐めた態度を教育してやるって言ってんだ。





ははは!姐さん!あいつあんなこと言ってますよ!





君も最初は同じようなこと言ってたんだけどね。





昔は昔、今は今っすよ。





さて、姐さんにたてつく奴は俺がしめてやるよ。





あんたかい魔力を持った人間ってのは。





あれ、俺って有名人?





意外と大したことがなさそうだね。





あ?オバサン消すぞ?





人間ごときにんなこと言われる筋合いはないね。





さっさと消えな!


魔女の電撃にぎりぎりで反応しながらも逃げる体制をとる二人。



うおっ!





うわ!





ははは、無様にやられな。


魔女の攻撃から逃げながら女勇者の魔法使いは話しかけた。



なんすかあれ!モーションなしじゃないですか!どうやって戦うんすか!





いや、君のもじゅーぶんモーションなしだけどね。





でも戦う気があるなら秘策をあげるよ。





お、なんすか。





この薬を飲んで戦うんだよ。


そういいながら魔法使いは一つのビンを取り出した。



なんすかこれ。





それは飲んでみないと。





あの薬じゃないですよね。





大丈夫!





わかりました!飲みます!


ごくりっ!
女勇者の魔法使いは覚悟を決め、黒い薬を飲み干した。



……。





ってなんもないじゃないですか!





魔法使ってみな。たぶん効果が出てるはず。





魔法ですか?わかりました。





なにさっきからコソコソしてんだ。さっさとやられな!


女勇者の魔法使いは魔女のほうに向きなおると、手を振り上げた。



うおら!





なっ!


青色の大きな炎が上がり、魔女の歩を止める。



だーいせーこー!


逃げながらなので小さく万歳をしながら魔法使いは言った。



うおー!すげー!なんすかこれ!





それは魔法強化の薬。私オリジナルのやつで魔法の力を引き上げるの。





これであいつを消し炭にしちまえばいいんですね。





うらあ!消してやるよ!


手を振り上げ青色の炎を放つ。



調子に乗るんじゃないよ!


魔女は泡状の水を放ち、炎をかき消した。



うおおおお!消されたああ!





どうするんすか!姐さん!





君はそのままあいつに打ち続けて。極力隙を作らないように。





わかりました!





うらうらうらあ!





バカの一つ覚えかい?そんなんきかないって言ってるだろ!


連続で炎を放つが次々にかき消されていく。



いいのー?そんなことして。





なに!?


突如白い煙が回り囲み視界が悪くなる。



くそっ!どこに隠れてんだい!





さてと、あたしも反撃しますか。





あー、飲みたくない。


ごくりっ



うげぇ…甘ったる…。





ええと…あいつの場所は…あのあたりかな。





ちっ、まったく見えないじゃないか。


一寸先まで白くなってしまった空間を歩き回る魔女。



どこにいやがんだ!さっさと出てこいよ!





でも、向こうも同条件だね。能力を使ってあいつらの場所を割り出せれば。


勇者たちの動向を確認したのと同じ能力を使おうとした魔女を突如大きな炎が襲う。



なっ!





くそっ!どこから!


なおも炎は魔女を的確に狙って放たれ続ける。



なんでワタシの居場所がわかる!





それはねー。


白い空間から魔法使いの声が響く。



魔知の薬のおかげだよー。これもオリジナルだったけど成功してよかった。





姿を見せな卑怯者!





幻覚使う魔物が言うセリフじゃないんじゃない?





ひとまず今回も実験成功。ありがとうね、ばいばい。


魔女の真後ろに回り込んだ魔法使いはそう言い残すと、大きな炎をほぼゼロ距離で放った。



あああああああああああああ!


その後、白い空間に魔女の断末魔が響き渡った。



うえーすっぱい…。





姐さん!かっこよかったです!





どーせ煙で見えなかったでしょー。





いえ!肌で感じ取れまし…あれ?





なんか急に眠く…。





副作用だね、無理やり魔法を強化したから疲労もいつもの5倍くらい。魔力があってもそこはあんまり変わらないんだ。





あたしも休憩。疲れたー。


魔女との戦闘に勝利した魔法使いの二人。しかし勇者たち一行と魔王一味の戦いはまだ続くのであった。
