魔王の城
魔王の城



姫様





なんだ…





お食事はいかがいたしましょうか?





食欲がない…
いらん





またですか…
やはりどこかお体が…





問題ない





姫様…





やはり
ここ最近の言動は何かおかしい…





一体なんだというのだ…





サレナ!





は、
はい!





お前には…
大事なものはあるか?





え?





大切な
守りたいものだ





…





ないのか?





そう、ですね…
考えた事もありませんでした
生まれた時から自身の事のみを
優先させる生き方をしてきましたから…





大切なものは自分だけ…
という事か





そうですね
そう思っていただいて
構いません





そうか…





なにか?





いや
実に魔人らしい
考え方だと思ったのでな





…
まぁ、魔人ですから





そうだな
我らは魔人だ
それも、もっとも血が濃い





私と姫様はある意味
特別ですからね





そうだ、な…
下らん話をしてしまった
すまない





い、いえ
問題ありません





問題ない…か
そうだな。問題なんてなにもないんだ





?





そうだ
問題ない
どうせ…道は決まっているのだから





サレナ!





え?
はい!





最後の準備を始めよう





姫様!?





随分
長い間
待たせてしまったな…
だが、そのお陰で魔力も貯まった…





では…ついに





あぁ、皆にも伝えてくれ





了解しました!





そうさ
私は私の道を進むだけだ
私のために…





魔人らしくいこうじゃないか…





姫様がついに動き出す…





楽しみね


黒服を身にまとった少女は笑った
自分が仕えし者の行動に震えていたのだ
これはなんという感情なのだろう
喜び?いや、なにかもっと別の…
