傷だらけの鎧が埃を被ってしばらく経つ。
傷だらけの鎧が埃を被ってしばらく経つ。



…………


俺は今日もセーニョ村の畑をひたすら耕していた。
相変わらず作物の種を植える予定はない。
しかも『力』がかなり成長したので、加減を間違えると土を吹っ飛ばしてしまう。
それをいかに抑えるかが、最近はまっている修行だった。
そうそう、村は旅に出る前よりも少しだけ賑やかになった。
ほら、広場で追いかけっこをしている男の子と女の子がいるだろう。



あはは!





待ってよう!


あの二人は村で新しく生まれた子供である。
もうすぐ、三人目も生まれる予定だ。



しらべる


背後から『布の服』の裾をちょいちょいと引っ張られた。
そこに立っていたのは、『ゆったりとした服』を着た女性だ。



…………


かつて勇者だった彼女は俺の手を『しらべ』、走り回る子供たちを穏やかな笑顔で見守る。
そして、俺は晴れ渡った空を見上げる。



やあ! 今日はいい天気だな!


『しらべる』勇者と村人Fな俺
終
