荒野を抜け、目的の村に着いた勇者たち一行は宿を探していた。
荒野を抜け、目的の村に着いた勇者たち一行は宿を探していた。



やっとベッドを使って寝れるんですね。





オレはどこでもあんま変わんないけどな。





お風呂とかもあるといいなー。





メシがうまいとこがいい!





……。





お、ここみたいだな。





らっしゃい!旅の方かい?





ああ、部屋空いてるか?





もちろんだ!5部屋でいいかい?





いや、なにぶん持ち合わせが少ないからな。5人泊まれる部屋はないか?





5人はきついな。どの部屋も寝床が足りない。





いや、5人入れればいい。





寝るときはどうするんだ。





オレは床でいいよ。





わたしはメシが食えればなんでもいい。





それでいいならあるぞ。他になにかほしいものは?





お風呂!





わかった。じゃあ、上の階だ。





ゆっくりしてってくれ。





ああ!ベッドです!ふかふかです!





お風呂もきれいだね。





メシはどこだ!





……。





なんで歩いてる時より元気なんだ、みんな。


部屋に入った一行は皆それぞれくつろぎ始めた。



騎士様、ここにはどれぐらい滞在するんですか?


ベッドで寝転がりながら偉そうにしている姫は、下僕に指示をするかのように聞いた。



なんでそんな悪い印象なんですか!


私はなにも知らない。



明日出発かな。





早すぎはしませんか?





できる限り早く出発したいしな。





もうちょっとゆっくりしたいです。





うーん…じゃあ2泊くらいするか。





やったー!ありがとうございます!


世界が危機に瀕しているというのに、自らの休養を優先させるため、わがまま姫は世界の救済を2日遅らせた。



私が諸悪の根源みたいに言わないでください!


私はなにも知らない。



じゃあ、明日は自由行動で。


こうして勇者たち一行の初めての休暇が始まった。
