ゴミ捨て場
ゴミ捨て場
カラリ、と何かが落ちる音がした。
それをきっかけとするように、ガラガラとゴミの山が崩れ落ちてゆく。
ここは悪臭漂うゴミの山。息をしないガラクタだけが無様に積まれている場所だ。既に忘れ去られ、人が寄り付くこともない。
しかし、今、ゴミを掻き分けるようにして立ち尽くす、一人の少女の姿があった。



ない……





どこにもない……





きゃあっ


歩くたびに崩れるゴミの山。
それに足を取られ、少女はついに転んでしまった。



もうっ 大体なんで私がこんな汚いところを探さなければならないの!?





やめたやめた! もうこんなところから出ていってやるっ


投げ捨てるように叫び、少女はその場を後にした。



あーあ、行っちゃった





いけないんだー、僕を置いていくなんて


そして……過ぎ去る少女の後を追うように……謎の影がもそもそと動きだしていた……
書斎



嫌だ、と言っているだろう





そこを何とか頼むよぉ





いくらお前の頼みでも、それを引き受けることはできない





君は強情だなあ


本やカップ、怪しげな壺に大量の布。
多様な物で埋め尽くされ、足の踏み場もないような書斎にて、二人の男が言い争いをしていた。



頼むよ、現代の天才人形師~





そうだ、俺は今世紀最大、稀代の人形師。だからこそ、そんな安い依頼は受けられない





君、絶対友達とか作れないよね。僕以外で





いいよ、また来るから



